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ゼッフィレッリのオテロ
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    JUGEMテーマ:オペラ

    このブログも、同じことばかり繰り返し書いているオッサンの愚痴のようになっていますが、私ももう48歳ですから仕方ありませんね。
    私はフランコ・ゼッフィレッリのファンなのです。ゼッフィレッリは、オペラの映画も撮影しています。ストラータス主演の《ラ・トラヴィアータ》は、オペラに興味を持った最初の年にビデオを見ました。貸してくれる人が周りにいたんです。豪華な映像に夢中になって、何度も何度も同じ場面を見たものでした。イタリア内のどこかの宮殿で撮影されたのだろうと思っていたのですが、ほとんどが撮影用に作られたセットなんだそうです。そう思って見てみると、館の壁や扉に、透けているところがあったりする。現実には存在しない建物なんですね。この映像をきっかけにオペラにはまった人もいると聞きます。
    ところが、ゼッフィレッリが監督したもう1本のオペラ映画《オテロ》は、ずっと見ないままでした。貸してくれる人がいなかったということもありますし、それほど急いで見なくても、別に映画がなくなるわけではありませんしね。《オテロ》という演目に、それほど執着がなかったのかもしれない。私は、ドミンゴのオテロも、クーラのオテロも、生で見たことがありますが、それほど感動しなかったのです。残念〜。《オテロ》で感動したのは、フリットリがリサイタルで「アヴェ・マリア」を歌った時ですね。泣きましたねえ。《オテロ》で面白い場面と言えば、「イヤーゴの信条」とか、「アヴェ・マリア」とか、シェイクスピアの原作に存在しない場面が面白かったりしますね。シェイクスピアって、どういうところが面白いんですかねえ。
    そうして、ゼッフィレッリが監督した《オテロ》をいざ見ようかと思ったら、とっくの昔に廃盤なんです。中古でも、すごい高額になっている。何とか、日本語字幕付きのVHSテープを安く入手して、1年前くらいですか、やっと拝見しました。愛の二重唱のあいだに、子供の頃のオテロの回想シーンが挿入されていたりして、時間の流れが重層的になっていました。ネタバレで恐縮ですが、普通ですと愛の二重唱の後に2人で寝室へ向かうわけですが、この映画では違っていて、愛の二重唱の終わりのシーンで何と「翌朝」になっている。その朝の美しさときたらもう、まるで動く絵画みたいなんですよ。馴染みの音楽に、これまでとは別の意味が与えられたかのような衝撃でした。
    ゼッフィレッリとしても自信満々の映画だったみたいですけれども、なぜか廃盤となって、すっかり過去のもののようです。
    オテロはドミンゴの当たり役で、かなり長期間にわたって歌い続け、映像も何種類か出したわけですが、何だか肌の色がだんだん薄くなっていますよね。昔ははっきり黒く塗っていたのに。2001年スカラ座のDVDなどは、ジャケット写真を見ても、何の役なのか分からないくらいです。
    現在では、世界的に、オテロ役を歌う時に肌を黒く塗るのはNGなのだそうです。駄目と言われても、黒く塗らないで黒人をどうやって演じるのか、よく分からない。男が女を演じ、若者が老人を演じるように、どんなに離れていようとも、自分と違う存在になるのが演技というものなのではないのでしょうか。心で黒人になるのでしょうか。声で黒人になるのでしょうか。それとも、黒人でなくてもよいことにしたのでしょうか。
    とは言っても、黒人差別の歴史は、私たち遠国の者には想像もつかないほど過酷なものだったので、それがために、このような流れになってしまうのですね。仕方ありませんね。日本で《オテロ》が上演される時は、今後もまだ黒く塗るんじゃないかと思いますけど、どうでしょう。
    ちなみに、ゼッフィレッリが監督を務めた映画に『トスカニーニ』という作品があり、この中で黒人奴隷の解放がちょこっと描かれています。
    | オペラ | 23:07 | comments(0) | - |
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