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客席いまむかし
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    若い人はもう、むかしの歌舞伎座のことを知らないでしょう。

    私は平成4年から歌舞伎を見始めたのですが、客席の雰囲気もだいぶ変わりました。
    まず、むかしは3階席に「はとバスの団体客(たぶん)」が来ることが多かった。3階A席の、横通路の前あたりの席です。途中から入って来て、途中で帰ってしまうケースが多かったですね。「それほど強い興味はないけれど、東京見物のコースの1つとして歌舞伎座を見る」という感じで、興味のない人の割合が高くなると、客席内が散漫な雰囲気になりますね。
    それが「平成の歌舞伎ブーム」だか何だか、3階席はわりと売れるようになり、歌舞伎に興味の薄い人の割合が減ったんだと思うんですね。3階席の団体客は減ったと思う。
    そして、周囲の客の誰かしら、腕時計が1時間ごとにアラーム音を発することが多かったですね。1時間ごとに「ピピッ」と音を鳴らす人の感覚が(鈍感さが)全く理解できなかったのですが、最近はほぼ消滅しました。良かった。スマホを時計代わりにする人が増えて、腕時計をしている人が減ったからですね。
    椅子の下にちらしを敷いて、靴を脱ぐ婆さんがいましたね。さすがにいなくなりました。
    終演が近くなると、かなりの頻度で、小銭を落とす人がいました。帰りの電車賃を確認していたのではないかと思います。たしか床が絨毯ではなくて、落とすと音が響いたんですよね。スイカの普及によって、いなくなりました。完全に終演する前に帰り支度を始めてゴソゴソする客を私は心の底から恨んでいて、呪詛していたので、いまごろ死んでいるかもしれません。イヤホンガイドを落とす人も多かった。
    話が逸れますが、能楽の公演でも、演者が舞台からはける前に帰り支度を始める客を私は現在も恨んでいます。
    むかしの歌舞伎座の3階席は、ハウリングの音がしょっちゅう飛び交っていましたね。ピーピー言ってました。客の補聴器の音だったのか、劇場の音響設備の不備だったのか、判然としません。しかし、それは1階席では起こっていなかったと思うので、音響設備がボロかったのだろうと推測しています。いまの歌舞伎座の拡声技術は明らかに格段に向上しました。しかし、音響設備に頼り過ぎて、逆に音が不自然になっていると感じますね。やり過ぎなんです。やり過ぎ。爺さん婆さんは喜ぶだろうと思いますが、逆に若い観客の感動を減少させていると思います。若い客は本当に可哀想ですね。
    ちなみに国立劇場の文楽公演は一切、拡声はしていないそうです。(という情報は数年前の情報なので、現在はどうでしょうかねえ)
    新国立劇場のオペラ公演では、最近、ソリストの声をかなり拡声しているように聞こえるのですが、関係者に確認したわけではないので、私の気のせいかもしれない。しかし私は近年、耳が遠くなってきているはずなのに、舞台の音が逆に大きくなってきていると感じるのは、どういうことなのだろう?

    JUGEMテーマ:歌舞伎

    | 歌舞伎 | 22:36 | comments(0) | - |
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